Wednesday, 2006/05/24

ゲルギエフのシェエラザードを聴いた

ワレリー・ゲルギエフ指揮 キーロフ歌劇場管弦楽団演奏 セルゲイ・レヴィーチン(ヴァイオリン)リムスキー=コルサコフ作曲 交響組曲「シェエラザード」op.35

クラシック音楽の楽しみ方は一通りではない。同じ曲でも演奏によってその楽しみ方が異なる場合もある。演劇の舞台のようなものだ。原作が同じでも演出が変われば、楽しみ方も変わる。いや、変えなければ楽しめない。この曲の私なりの楽しみ方はシェエラザードとシャリアール王に思いをはせて、そのストーリーに浸りこむことで感動を得ている。ゲルギエフの「シェエラザード」はこの方法では楽しめなかった。濃厚で妖艶な(と言われている)シェエラザードは娼婦のように思えたし、堂々としすぎたシャリアール王は腹の出た中年を思わせ、女性不信から狂気の行動を起こすような純粋さなど微塵も感じさせなかった。このシャリアール王は計算とか人間関係とか言った事に依って行動するタイプに思えてしまう。そこにはシェエラザードと言う「癒し」の出番はない。ゲルギエフの「シェエラザード」はどう楽しむべきなのか。このCDに付いてくる冊子(CDケースの中に入っている、表紙がジャケ写で、解説などが書かれた10P程のもの)に唐突にバレエ・ダンサーの写真が出てくる。そう、この曲はバレエの伴奏音楽としても使われるのだ。そして、ゲルギエフはキーロフ歌劇場でバレエ「シェエラザード」の指揮を何度もやっているらしい。ひょっとして、この演奏はバレエ音楽として聴くべきなのかもしれない。バレエ・ダンサーが踊るさまを思い浮かべて聴くと楽しめるのかもしれない。だが、私にはバレエに対する興味はないし、この曲はバレエ音楽として作曲されたものでもない。現にリムスキー=コルサコフの遺族は「シェエラザード」が官能的な舞台の伴奏音楽として使われたことに怒り、裁判を起こしたと言う。もう少し聴き込んでみるつもりだが、どうなるか。
By MicWire at 12:58:08 +0900 JST | Comment(0) | TB(0) | 古典音楽
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