交響組曲「シェエラザード」はリムスキー=コルサコフが1888年に作曲。「アラビアン・ナイト」を下敷きにしたロマンチックな作品。私にとっては最も好きな曲のひとつです。「アラビアン・ナイト」といえば、「シンドバッドの冒険」とか、「アラジンの魔法のランプ」とか、「アリババと40人の盗賊」とかを思い出す方は多いと思いますが、それらが語られる大きな枠組みをご存知ない方は多いみたいですね。昔々ある国で、妻の不貞を見てしまい女性不信となった王が女性と一夜を過ごしてはその命を奪うという蛮行を続け、国が大いに乱れていました。そんな時、ある大臣の娘が自ら王のもとに出向きました。彼女は寝物語に面白い話を語り、王は続きが聞きたいばかりに彼女の命を奪わずにいるうちに千一夜が過ぎ王はもとの名君に戻りました…というのが大枠で、彼女が王に語って聞かせたのが「シンドバッドの冒険」や「アラジンの魔法のランプ」や「アリババと40人の盗賊」などの物語だったという構成です。彼女の名がシェエラザード。王の名がシャリアール王。交響組曲「シェエラザード」は威圧感たっぷりのシャリアール王のテーマに対して、ヴァイオリンのソロによるシェエラザードのテーマが優しく語り掛けるように流れ出します。気高く聡明で美しい反面、不安を押し隠した様子が目に浮かぶような繊細な旋律の後、カラフルと称されるコルサコフのオーケストレーションの極致のような曲が展開され、やがて最後はシェエラザードのテーマとシャリアール王のテーマが絡み合うように静かに消えて終曲を迎えます。クラシック入門に超お勧めの一曲。
※シェエラザードはシェヘラザードとかシャハラザードと表記される場合あり。シャリアールもシャフリヤール等の表記あり。
<追記>
N響アワーを視聴した。ええ〜、う〜ん、ってことは、「名作“シェエラザード”誕生秘話」の「シェエラザード」ってのは浅田次郎の小説の事だったのね。ふ〜ん。N響アワーで「名作“シェエラザード”誕生秘話」って言ったら、交響組曲「シェエラザード」のことだと思っちゃうよ。これってどうよ>NHK …まあ、それは置いといて、浅田次郎氏は中学からブラバンでトロンボーン吹いてたそうな。交響組曲「シェエラザード」を評して、「音で聴く物語。短編を読み終えた感がある」と仰ってました。トロンボーン吹きってこともあって、親近感アップ。
N響アワーじゃ一部しか聴かせてくれないし、ちょっとムカついたので、欲求不満。以前から欲しかったゲルギエフ指揮キーロフ歌劇場管弦楽団演奏のCDを発注してしまいました。この録音、すげー評判がよろしくて、前から聴きたいと思っていたのです。なんとか、ゆっくり聴く時間を捻出せねば。